副業の確定申告がバレる理由とは?住民税でバレない方法は?

なぜ副業が会社にバレるのか、その答えを知る前に、まずは年末調整と確定申告の違いを理解する必要があります。

(A)年末調整とは、会社が従業員の所得をまとめて国に報告する作業です。
(B)確定申告とは、会社以外で得た所得を個人で国に報告する作業です。

会社は(A)年末調整により従業員ひとりひとりの税額を計算します。
会社外で稼いだ副業の収入は個人で(B)確定申告をして税額を計算します。
最終的に(A)+(B)=(C)の税金を国に納めるイメージです。

以上、(A)年末調整で求めた税額に(B)確定申告で求めた税額が加算されるため、(A)と(C)の差が会社にバレる=副業が疑われるのです。

会社に副業がバレない確定申告のやり方とは

副業をしていることを会社に知られたくなければ、確定申告時に住民税の徴収方法で「普通徴収(自分で納付)」を選択します。

住民税の納付方法に注意する

住民税の徴収方法は、以下の2種類があります。

  1. 普通徴収:納税者が自分で住民税を支払う方法
  2. 特別徴収:従業員の住民税を事業主が給与から天引きし、本人に代わって納付する方法

副業分の住民税の納付方法に普通徴収を選ぶと、納付書が6月上旬に自宅に送付されます。

給与所得では普通徴収を選べない

副業収入が給与所得に該当する場合、原則として特別徴収として納付することになります。給与所得をもらう副業とは、飲食店やコンビニなどのアルバイトです。お住いの地域によっては給与所得でも普通徴収できる場合があるため、役所で確認が必要です。また、普通徴収を選択したにもかかわらず、役所の作業ミスで特別徴収になってしまうケースもあります。よって、住民税を普通徴収にすれば「副業が100%バレない」という保証はありません。

確定申告すると副業が会社にバレるの?その理由と具体例

住民税が高くなりバレる可能性が高い

副業が勤務先にバレる原因は、給与から天引きされる住民税の金額が増えてしまうためです。会社で行う(年末調整など)確定申告の内容は市区町村に伝達され、最終的な住民税の確定金額が勤務先に送られます。その後、役所から送られてきた住民税の確定金額と勤務先で把握している住民税の予定金額が大幅にズレていると、経理担当者から副業など(何か他にも収入があること)を疑われるきっかけになるというわけです。住民税のズレをきっかけに副業の事実を突き止められるかどうかは、勤務先次第といえます。

アルバイトが副業だとバレる可能性が高い

副業がアルバイトや派遣の場合、本業の勤務先にバレる可能性が高くなります。「時給〇〇円」の時間労働は給与所得に該当し、原則、特別徴収しか選べません。

そして、副業先の事業主も役所に給与支払報告書(あなたに給与を支払った証明書)を提出します。その結果、役所は本業と副業の給与所得を合算して住民税を計算し、本業の勤務先に住民税の確定金額を通知します。

通知後、特別徴収の住民税額が本業分に比べて高いため、経理担当者などに不審に思われて発覚する可能性があります。ですが勤務先の方針により経理担当者が注意深く確認するか否かによって、バレる確率が上下します。

アルバイトの副業をバレないようにする対策

副業アルバイトを勤務先にバレないようにするには、以下の方法が考えられます。

  1. 役所に相談して、住民税を普通徴収にしてもらう
  2. バイト先に頼んで外注(自営業)扱いにしてもらい、給与を雑所得に変更する

いずれにしても住民税を特別徴収から普通徴収にすることがポイントです。ですが上記1の場合は役所によっては例外を認めないケースも多く、できない可能性が高いです。

上記2の場合は、外注(自営業)扱いにすることを税務署が認めないリスクがあるため、実態に合わない変更は難しいと考えられます。

また、給料を手渡しで受け取れば、申告しなくてもいいのでは?

と考える方もいるかもしれませんが、たとえ給料が手渡しでもバイト先は給与を支払ったことを証明する書類(給与支払報告書)を役所に提出するので、住民税の申告は避けられません。

このように、副業のアルバイト先から給料をもらう場合、住民税を普通徴収にする確実な方法はありません。

業務委託(自営業扱い)の仕事を探す方法

副業をアルバイトから業務委託の仕事に変えると、勤務先にバレにくくなります。所得の種類が給与所得から雑所得および事業所得になると、住民税を普通徴収で納付できるためです。業務委託の仕事は、以下のような方法となります。

  • クラウドワークスなどのクラウドソーシングサイトで探す
  • 業務委託専門の求人サイトで探す
  • Uber Eats などの配達員の募集を探す

給与所得の場合、年末調整でバレる可能性が高い

年末調整では「※1控除申告書」を提出します。この書類に「給与所得」を記載する欄があり「給与所得以外の所得の合計額」という欄に副業の所得を記載することになっています。副業の所得をありのままに記入すれば、副業していることが勤務先にバレる可能性が高まります。

※1「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」といいます。

また、本業と副業で2カ所以上の会社から給料をもらっている方が、本来1カ所にしか提出すべきでない「※2 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」をそれぞれの会社に誤って提出してしまった場合、役所から本業の会社に「申告書類が重複している」と、問い合わせがきて副業がバレる可能性が高まります。

※2 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書とは、扶養の有無に提出する書類です。この書類は本業の会社(1カ所)に提出するものです。

年末調整でバレない対策

上述した、年末調整でバレる可能性が高いのは、申告書類の中に副業の所得を記載する必要があったからです。しかし、あえて副業の所得を記載せずに、翌年の3/15までに自身で確定申告を行えば特に問題はなく、副業の所得を記載しなかったことへの罰則もありません。

年末調整の書類は正確に処理することが望ましいですが、あえて副業分を記載しないことで、勤務先に把握されるリスクを下げられます。

また、年末調整は1カ所で行うのが原則です。もしも副業の会社から年末調整の書類提出を求められた場合、本業の勤務先に提出する旨を伝え、副業の会社には提出しないようにしましょう。

社会保険料でバレる可能性が高い

副業で働く会社でも社会保険の加入義務が生じた場合、社会保険に加入しなければなりません。複数の会社で社会保険に加入する場合、被保険者(あなた)は「被保険者所属選択届・二以上事業所勤務届」を年金事務所へ提出する必要があります。

この届出により、2か所以上の給与を合算した金額から保険料を算出し、各事業者が支払うべき社会保険料を求めます。よって、2社以上で社会保険の加入資格が生じた場合、本業で支払うべき社会保険料にズレが生じるため、副業の発覚に繋がるリスクがあります。

社会保険でバレない対策

社会保険料が高くなりバレるのを防ぐには、副業で社会保険加入義務の条件を回避する必要があります。社会保険の加入対象となるのは、以下の条件をすべて満たす場合です。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 賃金月額が月8万8,000円以上
  • 1年以上雇用されることが見込まれる(2022年10月からは2カ月超)
  • 従業員数50名(2022年10月からは10人、2024年10月からは50人)超の企業で働いている
  • 学生でない

以上、5つの条件をすべて回避しましょう。

副業がバレたくない!確定申告しないとどうなる?

5年以内の税務調査でばれる

副業が勤務先にバレるのを恐れて確定申告をしないのは、脱税にあたる違法行為です。勤務先に発覚するだけでなく、罰則や刑事事件に発展するなどリスクが大きくなります。

副業の取引先は給与の支払調書を税務署に提出するため、税務署は個人の所得を把握しています。そのため、本来申告すべき所得があるのに無申告の場合、税務署から指摘される可能性が高まります。また、税務調査は5年までさかのぼって行われる場合がありますので、無申告が発覚すると、無申告加算税や延滞税が課されます。悪質な場合は重加算税が課され、違法性が高いケースでは刑事罰が科される可能性があるのです。

副業所得が20万円以下なら確定申告しなくてよい

副業で確定申告が必要なのは、以下2つに該当する方です。

  • 副業がアルバイトで、給料をもらっている人
  • アルバイト以外で、副業の年間所得が20万円超の人

2カ所以上から給料を受け取っている人は確定申告が必要です。よって、副業がアルバイトの人は金額に関わらず確定申告が必要です。また、判断の基準になる「所得」とは副業収入そのものではなく、収入から必要経費を差し引いた利益部分に相当する金額です。上記2つの条件に当てはまらない方は確定申告が不要です。

しかし、医療費控除などを受けるなら確定申告が必要

申告不要の人も医療費控除やふるさと納税の寄附金控除を受けるならば、確定申告が必要になります。その場合、申告義務のなかった副業の所得も合わせて申告する必要がでてきます。

副業の所得が20万円以下でも住民税の申告は必要

住民税の申告義務は年間の合計所得が45万円を超える場合です。※市区町村により異なる場合があります。副業の年間所得が20万円以下で確定申告が不要な場合でも、本業と副業の所得が45万円以上ある方は、住民税の申告を行う必要があります。

副業しても会社にバレない最適な方法とは

副業が勤務先にバレない、確実な方法は残念ながらありません。ベストな方法は、勤務先に副業の許可を得ることです。しかし、今でも副業を禁止している会社もあるでしょう。ここでは、副業が発覚しないための対策を紹介します。

アルバイト以外の副業に切り替える

アルバイトの副業で給料をもらっている人は、アルバイト以外の副業に切り替えることが選択肢の1つです。先述のとおり、給与所得を普通徴収(会社に通知されない方法)にするのは難しいため、アルバイト以外の副業をするのが得策といえます。

業務委託契約で雑所得にする

アルバイトの雇用契約を業務委託に変えると給与から雑所得に切り替わり、特別徴収(会社に通知がいく方法)から普通徴収へ選択可能です。住民税を自分で納めれば、勤務先にバレる可能性は低くなります。アルバイトは拘束時間に対して給料が支払われますが、業務委託は歩合制です。その分、不安定になる点に注意が必要です。

以下では、業務委託契約の一例を解説します。

業務委託の求人サイトで探す

副業を業務委託の求人サイトで探すと、多くの案件が見つかります。自分の都合に合う案件を探してみるとよいでしょう。

Uber Eats などデリバリーワーク

Uber Eats 配達員などの仕事は業務委託契約のため、所得が雑所得(または事業所得)になります。よって、住民税を普通徴収(会社に通知されない方法)で納付可能です。Uber Eats の仕事は業務委託でも他のバイトと同様に比較的安定した収入を得られることで有名です。

Webライティング

Webライティングの仕事のように、クラウドソーシングを通じて得た収入は雑所得となり、住民税の普通徴収が可能です。クラウドワークスなどでは初心者向けのWebライティング案件も多く、自宅で好きな時間に副業に取り組めます。

「副業紹介サイト」で探す

最近では、物販やスキル販売など、さまざまなタイプの副業紹介サイトで案件を探せます。これらの副業収入は雑所得扱いになり、住民税の普通徴収が可能です。一例として、「写真AC」や「イラストAC」などに写真やイラストをアップロードして収入を得る方法があります。自分の作品がダウンロードされると1回ごとに報酬が加算される仕組みです。何か得意なことのある方は、楽しみながら稼げる副業をインターネットで探すのもおすすめです。

副業禁止の会社でバレたらどうなる?

副業が禁止されている勤務先で副業がバレると、解雇や処罰の対象になるのでしょうか。ここでは、副業禁止の勤務先で副業が発覚した場合にどうなるかを解説します。

就業規則で副業が禁止されている場合

就業規則で従業員の副業禁止が定められている場合、降格や減給などの懲戒処分を受ける可能性があります。事業主は、就業規則で副業禁止を定め、違反者に懲戒処分を科すことが可能だからです。副業をする前に勤務先のルールを確認しておくことは、非常に重要です。

公務員は副業禁止

一般企業では副業解禁の傾向にありますが、公務員は国家公務員法や地方公務員法で副業が禁止されています。 公務員が法律で禁止されている行為は、「営利目的で事業を行うこと」「給料をもらって本業以外の仕事をすること」です。アルバイトや業務委託は法律に違反することになり得ます。

公務員でなければ副業は違法ではない

公務員以外の会社員などの副業は、勤務先で副業禁止でも違法行為にはあたりません。本業の勤務時間外の行動に、制限をかけることはできません。2018年1月、厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成し、「モデル就業規則」から副業禁止の規定が削除されました。働き方改革として政府も副業を推進しており、副業禁止を見直す企業も増加傾向にあります。

まとめ

コロナ禍による企業の業績悪化の影響で、副業をする会社員が増えています。副業禁止の会社で働く人が副業をする場合、勤務先への発覚が心配になるでしょう。副業所得があるのに副業が発覚することを恐れて確定申告をしないと、勤務先にバレるよりも大きなリスクを抱えてしまいます。会社にバレることが心配だったり、申告の仕方がわからなかったりする方は、税理士への相談をおすすめします。

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