倒産防止共済(経営セーフティ共済)の掛金が上限に達したらやること
倒産防止共済=経営セーフティ共済のため当サイトでは「倒産防止共済」に統一してお伝えします。
倒産防止共済の掛金上限は800万円です
個人事業・法人共に積み立て可能な掛金の上限は800万円です。税法上、倒産防止共済で納付した掛金は全額個人の経費もしくは法人の損金になります。
月々の掛金上限は20万円です
個人事業・法人共に月々の掛金は最小5千円~上限20万円を設定できます。掛金を減額する場合のみ「事業規模縮小」など理由が必要です。
掛金の前納上限は240万円です
個人・法人共に月々の掛金を上限の20万円に設定した場合、前納手続きで一括経費にできる上限は20万円×12か月の240万円です。
前納の上限月数は12か月分です
倒産防止共済の税法上、12か月以上の前納分は事業年度内に経費・損金算入不可となります。
40か月以降の解約で100%返金される
倒産防止共済に40か月加入のち任意解約した場合、100%の解約手当金が保証されます。
掛金納付月数 | 任意解約 | 機構解約 | みなし解約 |
1か月~11か月 | 0% | 0% | 0% |
12か月~23か月 | 80% | 75% | 85% |
24か月~29か月 |
85% | 80% | 90% |
30か月~35か月 | 90% | 85% | 95% |
36か月~39か月 | 95% | 90% | 100% |
40か月以上 | 100% | 95% | 100% |
機構解約とは、契約者の違反により機構側が強制的に解約した場合です。
掛金が上限800万円に達したらやること
掛金が上限800万円に達する状況は、月々の掛金上限20万円を40か月間納付した計算です。
上限800万円に達した時点で積み立ては停止します。
倒産防止に備えて保持する
倒産防止共済の目的は、取引先事業者の倒産に伴う共倒れ対策の保険です。
800万円×10倍の上限8,000万円を借入できるため、もしもの保険に活用できます。
任意解約して解約手当金を受け取る
倒産防止共済の掛金は納付月数によって解約手当金の金額が確定します。
40か月以降であれば、任意のタイミングで任意解約でき、積み立てた100%を事業所得および益金として受け取れます。
業績の悪い事業年度に任意解約する
倒産防止共済の解約手当金は
- 個人事業の場合・・・事業所得として計上する
- 法人の場合・・・益金として計上する
税法上の決まりがあります。
解約手当金の受け取りタイミングは
- 所得が低い事業年度におこなう
- 赤字の事業年度におこなう
上記2つが最適な出口戦略(税金対策)です。
設備投資のタイミングに任意解約する
設備投資や人材雇用など経費や損金を支出する期中に任意解約する方法もあります。
解約手当金は税法上所得となりますが、事業年度内に大きな投資を行えば所得と支出が相殺されます。
「倒産防止共済の掛金が上限に達したらやること」まとめ
倒産防止共済の解約手当金は税法上所得になるため、結局は利益の繰延であることがわかります。
毎月の掛金上限は20万円で、最大800万円まで繰延できます。
「なんとしても節税対策したい」そんなニーズにピッタリですが、上限800万円に達したのち、税金対策の出口戦略が必要だと心得ましょう。
倒産防止共済に関して税理士に相談したい方はお気軽にお問合せください。